銀座クラブの「永久指名制度」とは?基本の仕組み
一度決まった担当ホステスが「その店での担当」として続く制度
銀座の高級クラブでよく聞く「永久指名制度」とは、お客様に一度担当のホステスが決まると、その店に通う限り担当が変わらない仕組みのことです。店では「係(かかり)」や「担当」と呼ばれることが多く、「〇〇さんの係のお客様」という形でお客様とホステスの関係が店内で共有されます。
キャバクラでは来店のたびに指名する相手を選び直せますが、銀座のクラブでは担当がお客様ごとに固定されます。次に来店したときも、席に着くホステスの顔ぶれが変わっても、担当はずっと同じ人です。担当ホステスはお客様の好みのお酒、同行者、来店の頻度、会話の内容などを把握し、長く続く関係のなかで接客の質を高めていきます。
なお「永久指名」という呼び方や細かな運用は店によって違います。明文化されたルール表がある店ばかりではなく、長年の慣習として守られている場合も多いので、気になる方は初来店時にお店のスタッフやママに確認すると安心です。
「永久」とされる理由は信頼関係を重んじる文化にある
銀座のクラブは、会社経営者や役員、接待の利用が多く、一人のお客様と何年、時には何十年も付き合うことを前提にした接客が行われてきました。担当を固定すると、ホステスはお客様一人ひとりに責任を持って向き合えますし、お客様も毎回説明しなくても自分のことをわかってくれる相手がいる安心感を得られます。
また、ホステス同士の関係を守るという意味もあります。担当が自由に移り変わると、店内でお客様の取り合いが起こり、雰囲気が悪くなりかねません。担当を尊重するルールがあるからこそ、ほかのホステスも気兼ねなく席に着いて場を盛り上げられるのです。
- お客様側のメリット:好みや事情を理解した担当が継続して接客してくれる
- ホステス側のメリット:自分のお客様として責任を持って関係を育てられる
- 店側のメリット:取り合いが起きず、店全体のチームワークが保たれる
担当が決まるタイミングは初来店時が基本
担当が決まるタイミングは、多くの場合初めて来店したときです。代表的なパターンは次のとおりです。
- 知人の紹介で来店した場合:紹介者の担当ホステスが、そのまま担当になる(同じ係の扱いになる)ことが多い
- 同伴やお店のホステスからの案内で来店した場合:誘ったホステスが担当になるのが一般的
- 紹介なしで初来店した場合:その日の接客の様子や、ママ・スタッフの判断で担当が決まる
注意したいのは、紹介者と一緒に来店すると「紹介者と同じ係」として扱われやすい点です。上司や取引先に連れて行ってもらった場合、その方の担当があなたの担当にもなる、という形はよくあります。自分で別のホステスを担当にしたいと考えるなら、初来店の段階で焦らず、お店のルールを確認してから判断するのが無難です。
キャバクラの指名との違いを比較
指名の期間と選び直しの自由度が大きく違う
キャバクラの指名は、基本的に来店ごとの選択です。今日はAさんを本指名、次回はBさんを場内指名、といった形で自由に選べます。指名替えにはマナー上の配慮は必要ですが、ルールとして禁止されているわけではありません。
一方、銀座クラブの永久指名は、担当が決まったら原則として店内で変更しない前提です。比較すると次のようになります。
- キャバクラ:来店ごとに指名相手を選べる。フリー・場内指名・本指名など段階がある
- 銀座クラブ:担当は原則固定。ほかのホステスが席に着いても担当は変わらない
- キャバクラ:指名替えは可能だが、担当キャストへの配慮が求められる
- 銀座クラブ:担当替えは原則不可で、例外は店側の判断による
「いろいろな女性と話したい」という楽しみ方ならキャバクラ、「一人の担当と長く信頼関係を築きたい」という楽しみ方なら銀座クラブ、と考えると違いがつかみやすいでしょう。
料金の考え方:指名料がない、または目立たない店が多い
キャバクラでは、セット料金とは別に本指名料・場内指名料がかかるのが一般的です。指名するたびに料金が上乗せされるため、指名は「料金を払って選ぶ行為」という性格が強くなります。
銀座のクラブでは、そもそも指名料という項目を設けていない店や、料金表で強調していない店が多く見られます。担当が固定されているため、毎回指名料を払って選ぶ必要がないからです。料金はセット料金(席料)、ボトルやお酒の代金、サービス料・税などで構成されるのが一般的で、一人あたりの目安は数万円からと、キャバクラより高い水準になりやすいです。金額は店の格や滞在時間、注文内容によって大きく変わるため、あくまで目安と考えてください。
初来店で予算が気になる場合は、予約の電話や入店時に「一人あたりいくらくらいを想定すればよいか」を遠慮なく確認しましょう。高級店ほど、こうした質問に丁寧に答えてくれるものです。
ヘルプの役割と店内のチームワーク
銀座クラブでは、担当ホステスが一晩中ずっと隣にいるとは限りません。担当は複数のお客様を持っていることが多く、ほかのテーブルを回る間は、ほかのホステス(ヘルプ)が席に着いて会話を盛り上げます。キャバクラでもヘルプはありますが、銀座では「担当が決まっているからこそ、ヘルプが安心して席に着ける」という関係がはっきりしています。
ヘルプのホステスは、担当のお客様であることを理解したうえで接客するため、お客様を自分の担当に引き込むような振る舞いは基本的にしません。お客様側も、ヘルプの女性と楽しく会話することに遠慮はいりません。
- 担当:お客様との関係を長く管理し、来店時の接客の中心になる
- ヘルプ:担当が不在の時間に席に着き、場を盛り上げる
- ママ・チーママ:店全体を見渡し、担当とお客様の関係を調整する
「今日の担当以外の人とも話せて楽しかった」と感じるのは、このチームワークがうまく機能している証拠です。
担当替えのルールと例外
原則として同じ店の中での担当替えはできない
永久指名制度のもとでは、「別のホステスのほうが話が合うので担当を替えたい」という理由だけで担当を変更することは、原則としてできないと考えておきましょう。担当を替えることは、それまで関係を築いてきたホステスの立場を損なうことになり、店内の秩序にも影響するためです。
キャバクラのように、次回来店時に別の女性を指名する感覚で担当替えを申し出ると、場の空気が気まずくなることがあります。また、担当以外のホステスと個人的に連絡を取り合い、担当を飛ばして来店の約束をするような行動も、銀座ではマナー違反と受け取られやすいので避けましょう。
もっとも、お客様が不快な思いをしてまで我慢する必要はありません。どうしても担当との相性が合わない、接客に不満があるという場合は、次の項目で紹介するように、ママや店長に相談するのが正しい手順です。
例外となりやすいケースは担当の退店・移籍と店の判断
担当が変わるのは、主に次のようなケースです。
- 担当ホステスが退店・引退した場合:ママの判断で、別のホステスが担当を引き継ぐことが多い
- 担当ホステスが別の店に移籍した場合:担当について移籍先に通うか、元の店で新しい担当をつけてもらうかを選ぶことになる
- お客様から相談があり、ママや店長が必要と判断した場合:話し合いのうえで担当を調整することがある
担当が移籍した場合、どちらの店に通うかはお客様の自由です。ただし、移籍した担当を追って移ると、元の店には行きにくくなることもあります。どちらを選んでも失礼ではありませんが、両方の店に角が立たないよう、元の店に顔を出す際はママにひとこと伝えておくと関係がこじれにくくなります。
担当に不満があるときはママ・店長に相談する
担当との相性が合わない、連絡の頻度や営業の仕方が負担になっている、といった悩みがある場合は、担当本人に直接「替えてほしい」と伝えるより、ママや店長に相談するほうがスムーズです。店側は担当とお客様の関係を調整する役割を担っており、角を立てない形で対応してくれることが多いからです。
相談するときは、次の点を意識すると伝わりやすくなります。
- 感情的にならず、困っている具体的な点を落ち着いて伝える
- 担当の人格を否定するような言い方は避ける
- ほかのホステスの名前を出して「この人に替えて」と強く求めない
- 他のお客様がいる席ではなく、会計時や電話など落ち着いた場面で伝える
なお、恋愛感情につけ込んで来店や高額な注文を求める営業は、改正風営法で禁止されています。もし担当からの連絡が負担になっている、断りにくい形で来店を求められていると感じる場合は、無理に応じる必要はありません。お店に相談し、それでも改善しなければ、通う店を見直すことも立派な選択です。
初めての銀座クラブで永久指名と上手に付き合うコツ
担当選びは焦らず、店のルールを確認してから
初来店の日に、接客してくれたホステスがそのまま担当になることはよくあります。とはいえ、初めての場で緊張しているうちに担当が決まり、「もう少し考えればよかった」と感じる方もいます。後から変えにくい制度だからこそ、最初の段階を大切にしましょう。
- 予約の電話や入店時に、担当の決まり方を確認しておく
- 紹介者と来る場合は、紹介者と同じ係になるのかを事前に聞いておく
- 一人で来店する場合は、初回はママやスタッフに任せる気持ちで臨む
- 話しやすさ、気配り、話題の相性など、長く付き合えるかを基準に考える
担当は「見た目が好み」より「長く気持ちよく過ごせる相手か」で考えると、後悔しにくくなります。銀座のクラブは会話と気配りを楽しむ場所なので、落ち着いて話せる相性を重視するのがおすすめです。
接待・同行者がいる場合は係の扱いを意識する
銀座のクラブは接待で使われることが多く、取引先や部下を連れて行く場面もあるでしょう。この場合、同行者は基本的にあなたの担当の「係のお客様」として扱われることが多いです。同行者が後日一人で来店した場合も、あなたの担当が接客に関わる流れになりやすい点は知っておきましょう。
接待で利用する際に意識したいポイントは次のとおりです。
- 同行者の人数や立場を、事前に担当かお店に伝えておく
- 同行者が気に入ったホステスがいても、担当の頭越しに話を進めない
- 同行者が独立して通いたい様子なら、担当やママに相談して調整してもらう
こうした配慮ができると、お店からも「わかっているお客様」として信頼され、接待の場もスムーズに進みます。
担当との関係を長く良好に保つためのマナー
永久指名制度は、担当とお客様の信頼関係が土台です。無理に高いお酒を頼んだり、頻繁に通ったりする必要はありません。自分のペースで、気持ちよく付き合える距離感を保つことが大切です。
- 来店の予定が決まったら、担当に事前に伝えておく(同伴の有無も含めて)
- 予算を決めて通い、無理のない範囲で楽しむ
- 担当以外のホステスとも礼儀正しく接し、店全体と良い関係を築く
- 支払いは原則当日に精算し、後日払いを当然のものと考えない
銀座のクラブでは、信用のある常連に対して後日払いに応じる店もありますが、それは店とお客様の長い信頼があってこそです。初めてのうちは当日に精算するのが基本と考え、無理な使い方はしないようにしましょう。また、銀座のクラブは接待をする店として風営法の規制を受けるため、営業は原則0時までです。遅い時間に駆け込むより、時間に余裕を持って来店すると落ち着いて楽しめます。
まとめ
永久指名制度は「長く付き合う」ための仕組み
銀座クラブの永久指名制度は、一度決まった担当ホステスがその店での担当として続く仕組みです。お客様の好みや事情を理解した担当が継続して接客し、店内の取り合いを防いでチームワークを保つ役割があります。キャバクラのように来店ごとに指名を選び直すスタイルとは考え方が大きく異なり、指名料を設けない店が多い点も特徴です。呼び方や運用は店によって違うため、気になる点は事前に確認しましょう。
担当替えは原則不可、困ったらママや店長に相談
同じ店の中で気軽に担当を替えることは原則できませんが、担当の退店・移籍や、お客様からの相談を受けた店側の判断によって変わることはあります。担当に不満があるときは本人に直接言うより、ママや店長に落ち着いて相談するのが正解です。恋愛感情につけ込んだ営業は法律で禁止されているので、負担を感じる連絡や要求には無理に応じる必要はありません。
初来店は焦らず、自分のペースで楽しむ
担当は初来店で決まることが多いため、紹介者と同じ係になるのか、どう決まるのかを最初に確認しておくと安心です。接待で使う場合は、同行者があなたの係として扱われることも意識しましょう。予算を決めて当日精算を基本にし、自分のペースで通うことが、担当と長く良い関係を築く一番の近道です。